NEWS ニュース

秘密計算とAI開発でセキュアなデータ利活用を推進するイーグリスが 「Panasonic Accelerator by Electric Works Company」に採択。 ~パナソニックのアセットとイーグリスの連合学習技術の連携を検討し、高齢化社会の課題解決を目指す~

 EAGLYS(イーグリス)株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:今林広樹、以下EAGLYS)は、パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社(以下パナソニック)と株式会社ゼロワンブースター(本社:東京都千代田区、代表取締役:鈴木 規文、以下01Booster)が共同運営する「Panasonic Accelerator by Electric Works Company」に採択されたことをご報告いたします。

 EAGLYSはパナソニックのアセットとEAGLYSの連合学習(フェデレ―テッドラーニング)技術を連携させ、介護福祉施設の利用者のプライバシーを守りながら、同時に介護現場の業務負荷を解消し、利用者が快適にくらすことのできる社会の実現を目指します。

介護福祉施設の人材不足への対策は急務


 厚生労働省の調査によると、2019年時点で約211万人の介護職員が介護サービスに従事していますが2040年には約69万人の介護職員が不足すると試算される等、高齢化が進むことで介護現場の人材不足は年々深刻化することが見込まれています。一方、他業界からの新規参入によって高齢者向けサービスの市場は拡大しており、介護福祉施設の利用者が快適にくらすためのサービスが数多く展開されています。

 介護福祉施設では、人材不足への対応とサービスの品質維持向上を同時に求められています。国主導による職員研修支援等の対策も始まっているものの、教育による人材確保には時間を要するため、AI・IoTソリューションを用いて、例えばセンサーや画像データを活用して利用者の異変を検知し、リアルタイムに職員に知らせる仕組みの導入等が検討されています。このAI・IoTソリューションに使われるAIモデルは、利用者のニーズの多様化に対応するため、プライバシーにも配慮しながら高い精度で学習させることが不可欠です。

パナソニックのアセットとEAGLYSの連合学習技術の連携を検討、介護福祉施設の人材不足解消に役立てる


 EAGLYSはあらゆるデータを安全に活用し価値に変えることをミッションとし、秘密計算技術を中心としたデータセキュリティ/データ利活用支援、AI設計・開発、解析支援の2領域を基軸に、事業展開しています。秘密計算技術とAI設計技術のどちらかに偏ることなく顧客の要望に最適な解を提案できることを強みに、日々企業の課題解決をおこないユースケース創出に取り組んできました。

 また、医療機関のカメラとAI画像認識技術を活用した転倒防止システム構築等、企業のセキュアなデータ利活用に関する多様な取り組みに実証実験段階から携わってきた経験を活かし、データそのものを共有することなく特定のAI解析によって得られる結果(特徴量)のみを収集・統合する連合学習技術(フェデレーテッドラーニング)の社会実装へも取り組んでいます。

参考:銀行間でシェアするフェデレーテッドラーニングのAIモデルを構築し、不正取引を検知(https://www.eaglys.co.jp/use-case/federated-learning

 パナソニックのアセットとEAGLYSの連合学習技術を連携させ、介護福祉施設の利用者の心身の変化を解析し、解析結果のみを共有することで、プライバシーを守りながら高い精度でAIモデルを学習させることが検討できます。この取り組みにより、介護現場における人材不足の解消につなげることができると考え、「Panasonic Accelerator by Electric Works Company」へ応募し、無事採択されました。

 介護福祉施設において、利用者の心身の変化を検知してベッドや空調等の設定を自動で調整するAI・IoTソリューションを用いることにより、身体を動かすのが難しい利用者であっても、職員による対応を待つことなく快適に過ごすことができるようになります。また、利用者の細かな要望に職員が対応する必要がなくなるため、人材不足の解消につながるとともに、介護福祉事業全体でのサービス品質の維持向上が可能になります。

 この取り組みを契機に、人々がプライバシーに配慮しながら快適にくらすことができる空間づくりに貢献してまいります。

Panasonic Accelerator by Electric Works Companyについて


 Panasonic Accelerator by Electric Works Companyはパナソニック エレクトリックワークス社と01Boosterが共同で運営するコーポレートアクセラレータープログラム*で、先進的な視点やユニークなアイデアを持つベンチャー企業と共創することで、百年後につながる、安心で快適な未来の日常を共に創ることを目指して運営しています。

*テーマ「空間価値の向上」

 人々のくらしに関わるあらゆる場面で「快適な空間」や「豊かな時間」をお届けするために、幅広い空間ソリューションを提供しています。データやテクノロジーの活用により、オフィスや店舗などが安心・安全・快適・効率的な空間となるアイデアが募集されました。

*コーポレートアクセラレーターは01Boosterの登録商標です。
https://www.01booster.com/program/panasonic/

*プレスリリース「Panasonic Accelerator by Electric Works Company」がアクセラレータープログラムの参加8チームを決定:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000434.000016550.html

連合学習技術(フェデレーテッドラーニング)とは


 連合学習技術(フェデレーテッドラーニング)はデータそのものは共有することなく、特定のAI解析によって得られた特徴量のみを収集・統合することで、あたかもデータ連携をしたかのように複数事業者間のデータを利活用し、解析に活かせる技術です。連合学習技術により膨大なデータ通信・保管コストを抑えつつ、セキュリティや法令にも対応しながら、複数事業者間のデータを活かしたAIモデルを構築することができます。

一覧に戻る